社会福祉法上位置付けのない施設で、福祉をうたいながらホームレスや貧困状態にある人を入居させ、生活保護を受けさせ家賃や支援費として生活保護費を搾取する貧困ビジネス。
こうした無届け施設では、劣悪な居住環境や入居者の人権侵害などの問題が多発している。また、通常の社会福祉施設では事業開始時には近隣説明会を行わなければならないが、近隣への説明もなく突然近所の戸建住宅やアパート、社員寮などを転用し開設されてしまうため、近隣住民の動揺は計り知れない。スーパーでの万引きや、日中からホームレス風の人が徘徊するなど、治安の悪化でたびたび近隣運動となることがある。
こうした団体が蔓延る要因は、自治体では「無届け施設」の事業者に対する管理監督の権限が無く、事業停止など法的規制や処分ができない。「無届け施設」は社会福祉法に基づく施設よりはるかに簡単に誰でも出来てしまうため、「無届け施設」の事業者はここに目を付け、近年で爆発的に急増している。 以下では、「無届け施設」の事例を記述する
ハウスシェアタイプ
埼玉県さいたま市・代表的なのがNPO法人の「ほっとポット」定員4~8名の戸建ての「無届け施設」ハウスシェアタイプを運営、19施設85人を戸建LDK等に入居させている。(平成21年3月現在)また、岩槻区鹿室では、同じ敷地内の4物件に、4施設の名称を設けて定員を分散させ、「無料低額宿泊所」届出義務を避ける形で運営されている。
この「ほっとポット」の特徴は、職員6名全員が社会福祉士の資格を持っており、内1名は、元さいたま市福祉課職員が「ほっとポット」の理事として天下っている。そのためか、さいたま市は、平成19年から平成21年の2年間にかけて19施設と急増した「ほっとポット」の「無届け施設」を推奨しているとして、市議会議員や関係者からの注目を集めている。
また、「ほっとポット」のもう一つの特徴としては、代表理事が他の福祉施設の「無料低額宿泊所」や「無届け施設」、強いてはその施設に頼る行政や法制度を、テレビや新聞などのメディアを通し痛烈に批判している。しかし、どのメディアも「ほっとポット」の施設が「無届け施設」であることが一切伏せられており、「ほっとポット」としてより多くのメディアに露出し、他の施設を批判することで、「ほっとポット」の活動の肯定を図っている。
このような「ほっとポット」の施設は、常駐の管理者がおらず、数人の「ほっとポット」の理事が巡回するだけで施設の人件費が一切かからない。ローコストハイリターンで収益が得られるため、貧困ビジネスの新たな手口となっている。
例)売上(入居者5名×家賃45,000円)-仕入れ(戸建LDK家賃100,000円)=利益125,000円 ※年間利益150万円
その他に、さいたま市内では「株式会社ユニティ」が定員4~20名の戸建てで20施設210名(平成21年7月現在)を運営しており、「ほっとポット」と2大勢力化が問題となっている。
アパートタイプ
千葉県千葉市・無料低額宿泊所の開設を禁止したことから法的規制やガイドラインのないアパートタイプで「シナジーライフ」が生活保護費をピンハネしていた事が明るみとなった。この貧困ビジネスは、アパートには生活保護を受けない一般の入居者も住んでいるため、被害者が明るみになる事が少なく、氷山の一角に過ぎないとの指摘もある。
ドミトリータイプ
埼玉県さいたま市・自称NPO団体の「東京都連」が運営する岩槻区の施設で。無料低額宿泊所に類似しているが、行政の管理監督を避けるため、意図的に届け出をせず、極めて劣悪な住環境と不明確な施設の料金体制となっている。入居者のほとんどは、生活保護をエサに東京都内からスカウトして連れて来てさいたま市の生活保護を受けさせるという手口が明るみになった。この「東京都連」は、平成19年に埼玉県川口市にも「無届け施設」を開設し、当初から現在(平成21年10月)まで近隣住民との反対運動が収まっていない。
